防水工事の基礎

FRP防水|FRP防水の特徴と5つの利用箇所

  • 2017年1月10日

ベランダ・バルコニーの防水工事について情報収集すると必ず耳にするFRP防水。普段あまり気にすることのないベランダやバルコニーのメンテナンスですが、いざ検討し始めると「FRP防水」や「ウレタン防水」といった建築用語がたくさん出てきて一般の方には少し分かりづらいかもしれません。

そこで、この記事ではベランダ・バルコニーの防水工事を検討していらっしゃる方を対象にFRP防水に関する基礎知識について解説します。

1. FRP防水とは

FRP防水工事
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/sakaehome0839/9948184.html

まず始めに、FRP防水とはFRP(繊維強化プラスチック – Fiber Reinforced Plastics – )を防水分野に応用したもので、ウレタンやシート防水といった従来の防水工法にはない多くのメリットを有しています。

1-1 繊維強化プラスチック

酸化しづらく、科学的に安定しているプラスチックを”繊維”によって補強した素材の総称をFRP(繊維強化プラスチック)と呼びます。軽量で、強度的にも強い、”複合”材料として、防水工事意外にも様々な製品で利用される素材です。

身近なところでいうと、お風呂の”バスタブ”や”車のバンパー”などFRP(繊維強化プラスチック)が利用されています。

FRP防水

1-2 防水工事におけるFRP

ご存知の通り、FRPはプラスチックと繊維の”複合”材料であることから、用途によって複合される材料は異なります。

その中で、防水工事で使用されるFRPは”耐水性”、”耐薬品性”に優れる「不飽和ポリエステル樹脂」と補強性に優れている「ガラス繊維」との組み合わせが主流です。

防水工事で主流な「不飽和ポリエステル樹脂」と「ガラス繊維」を組み合わせたFRPは、浴槽や漁船、浄化槽などに使用されています。

また、富士山山頂に設置されていた富士山気象レーダーの「レーダードーム」もFRPで作られており、その耐久性は折り紙つきです。

このように「不飽和ポリエステル樹脂」と「ガラス繊維」の複合材であるFRPを防水の分野に応用したものが、FRP防水工法です。

2. FRP防水の利用箇所

木造住宅のベランダ防水工事
出典:http://www5.hp-ez.com/hp/onehome/page7

FRP防水工法による防水層は強靭性や速硬化性に優れているために、住宅バルコニーの要求性能に合致することから爆発的に普及が進みました。

しかし、強靭性や速硬化性に優れている一方で、反面伸び率が比較的小さいため、利用箇所を選びます。

2-1. 屋上、バルコニー

シート防水

FRP防水は耐水性と強度に優れているために、陸屋根の屋上や住宅のベランダ防水工事においてもっともスタンダードな工法になります。

2-2. 屋上駐車場

FRP防水の強度性は車両の通行にも十分耐えられることから、屋外の駐車場の防水としても数多くの実績があります。

特に、ショッピングモールなどの量販店などの屋上駐車場などは、ウレタン防水などの防水層を設ける防水仕様と比べて、軽量というメリットあるために、実績も豊富です。

このような大型量販店などの場合、すべてFRP防水というわけではなく、ウレタン防水と併用する複合工法も利用されています。

2-3. 屋上緑地

FRP防水は屋上緑地にも利用実績が豊富です。

植物の根に対する貫通抵抗性(耐根性)

耐水性、耐薬品に優れており、土壌中でも安定している。

という特徴を備えているために、屋上緑地にも最適です。

2-4. 浴室

ベランダや陸屋根の防水工事など、屋外で仕様されるFRPとは素材が異なりますが、浴槽や浴室の床で一般的に普及しています。

2-5. プール・水槽

FRPは以前から浴槽や漁船、浄化槽など水回りの設備に利用されていたことからその耐水性は折り紙つきです。

そのために、プールや水槽などでも幅広く普及しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?FRP防水について具体的にご理解いただけたと思います。

FRP防水は主にベランダ・バルコニー、陸屋根で利用されていますが、その際は専門の防水業者に工事を依頼することが重要です。

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