防水工事の基礎

防水工事のFRP、ウレタン、シート、アスファルト防水のドレン廻り

  • 2017年1月9日

ベランダ・バルコニーの経年劣化でドレンが抜け落ちてしまうことがことがあります。

その場合はどのように対処をすれば良いのでしょうか?この記事では防水工事のドレン廻りについて具体的に解説してまいります。

1. ドレンとは

ベランダ防水ドレン
出典:http://www.aso-inoue.com/bousui/

ドレンとは、いわゆる排水口のことです。

排水を行う口ということで、排水口です。エアコンなどの空気配管などに設置する水抜きのことをドレンと呼びますが、屋上の防水では、屋上の一番水平なところに、黒い鉄でできている格子状のカバーがついている雨水を排水する口の部分です。

ドレンにはいくつかの種類があります。

形状や口径、材質や工法などの種類によって、ドレンにはさまざまなタイプがあります。

ドレンは、ルーフドレンと呼ばれ、雨どいと防水層をつないでいます。

防水面で受け止めた雨水を、集めて雨どいに流すという役目を持っています。このルーフドレンは重要で、防水材が劣化していなくとも、ドレンが劣化して壊れてしまうと、それだけで雨漏りの原因になるなど、屋上防水・屋根防水で重要な役目を果たします。

鉄で出来てることが多いので、サビなどによる劣化が起こりえます。

サビは、防水材とドレンと雨どいの3つの部分があわさった結合部に、サビてしまうことで、接合面がはがれてしまい、防水性能が劣化するのです。そのため、ドレンが劣化すると、雨漏りにつながってしまうのです。

よって、ルーフドレンの工事は重要です。ルーフドレンの工事がしっかりなされていないと、いくら水平面の防水層をしっかりと施工したとしても、防水ドレン廻りをきちんと施工していなければ、防水工事そのものが、無意味な工事になってしまいかねません。

2. FRP防水のドレン

FRP防水のドレン
出典:http://blog.livedoor.jp/noukinz3/archives/51529163.html

FRPは、繊維強化ブラスチックのことです。不飽和ポリエステルを、ガラス繊維で強化したものになります。とても軽くて丈夫で耐久性があるため、FRPはよく使われています。

FRP防水の場合は、ドレンも、FRP防水用のドレンを使います。一緒の材質を使うことによって、防水層が一体化します。そのため、ドレンの廻りの漏水なども起こりません。ヨコ型FRPドレン、塩ビパイプドレン、VUソケットドレンなどがあります。

ストレーナーという排水口の入口となる金属も必要です。

FRP防水には、同じ材質のFRPドレンを使うことによって、シームレス(継ぎ目のない)防水層を作り上げることができます。

3. ウレタン防水のドレン

ウレタン防水のドレン
出典:https://www.yasumura-gaisou.com/blog/execution/1412

ウレタン防水は、FRP防水と同じく、樹脂を流し固めて防水層をつくる防水工法です。ウレタンゴムを流し込んで、弾力性の高い防水層を作っていきます。

ウレタン防水は、ウレタンを流し込みます。そのため、ドレン廻りも、サンダーで削って角度がなめらかになるように施工しておきます。コーキング材(シーリング材)をかぶせます。コーキング材をかぶせることで、ウレタンのつながりが良好になります。そして、あまり流れなくなるのです。

既存のドレンを撤去する前に、サイズをはかっておきましょう。差し込み式か、ねじ込み式かで、内径も異なってきますので、しっかり確認しましょう。新しいドレンを取り付ける際には、ドレンをハンマーで叩いてなじませます。両面テープなどもつかって、しっかりと固定してください。横引きドレンなどで下地になじまないときや、端が反り返るときなどは、ビスで固定するといいでしょう。

4. シート防水のドレン

シート防水のドレン
出典:http://www.paint-nn.jp/works/03/m_1.html

シート防水とは、その名の通り、防水シートを貼り付けて防水層を形成する施工方法です。シート防水用のドレンは、シートを傷つけず、施工できることが重要です。

防水シートを確実におさえつけて、漏水などを防ぎます。ドレン本体がぴったりなじんで、接触面が丸くなっているため、シートを傷つけずに施工することができるのです。

簡単に防水シートを切断するために、目印をつけることで、簡単にかつ確実に、シート切断の施工を行うことができます。防水シートをカッターで溝にあわせて切ることで、かんたんに防水シートを加工することが可能となるのです。

5. アスファルト防水のドレン

アスファルト防水のドレン
出典:http://suzukikogyo.co.jp/blog/2015/1127185117.html

アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトを含ませてコーティングしたシートを重ねて、防水層を作る工法をいいます。

既存の穴にかぶせるように、ドレンを施工していきます。カバーであるストレーナーも取り外して、綺麗に清掃します。ドレン廻りも、漏水になることが多い箇所なので、しっかりと清掃しましょう。ドレンとパイプのすきま、パイプ内にできた亀裂などから、漏水してしまうことがあります。鉛ドレンをつかうと、防水層とパイプをしっかりとむすんでくれます。鉛ドレンを設置して、段差の部分に樹脂モルタルを充填します。それによって、ドレンの入口が変わります。勾配が足りなくならないように注意してください。

このあとの、注意点としては、アスファルト防水の工程・注意点とあまり変わりません。ストレーナーキャップは新しいものに交換して、完成となります。

まとめ

いかがでしたか?今回はドレンについて学んでみました。防水工事のFRP、ウレタン、シート、アスファルト防水など、それぞれにおいて、ドレンは扱いが異なります。基本的には排水口なのですが、施工方法や注意点が異なります。

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