防水工事のコラム
ステンレスシート防水|美しい屋根を演出するステンレス防水の基礎基礎
札幌ドームや羽田空港の国際線ターミナルなどの屋根に利用されているステンレスシート防水。加工がしやすく近代的なイメージを演出できる為に、大規模施設などで幅広く利用されている工法です。
そこで、この記事ではステンレス防水について具体的に解説します。
ステンレスシート防水とは
ステンレスシート防水が世の中に誕生したのは1986年ですので、30年の歴史があります。高度な信頼性と耐久性をめざして、ステンレス鋼板の溶接を行った、新しい防水工事が必要になったためうまれました。ステンレス部分の連続溶接と、用途に応じたステンレス鋼板の選び方が重要です。施工ミスがあって失敗しないためにも、施工方法が標準化されています。
P&Pステンレス防水工法というものが一般的に広く普及しています。P&Pステンレス鋼法は、住友金属工業株式会社により開発された、完璧な水漏れをふせぐ機能を備えた、ステンレス屋根の防水方法となります。Permanent and Perfect(永遠にして完全)の頭文字をとってつけられており、その特徴を言い表しています。
P&Pステンレス防水工法は、防水層にステンレスの薄い板を使います。結合部を溶接して、1枚のステンレス板にします。
ステンレスシート防水とは、ステンレスシートを使って、防水層にするものです。溶接を行っているため、1枚の大きなステンレス板となり、完全に水漏れを防止してくれます。
ステンレスシート防水の施工事例
大分ドームでは、チタンによるステンレスシート防水が施工されました。
また、豊田スタジアムは、高耐食フェライト系ステンレス鋼というステンレスシート防水が施工されました。屋根は一般的に、建物の頂部分を指します。自然環境の厳しさから建物を保護して、住居環境を守ってくれます。火災時に飛び火などを防いだり、防犯の役目を果たしたりなど、人災なども防いでくれて、財産を守ってくれるために重要な働きを示すのが屋根です。
屋根の役割は、それらの機能的な側面に加えて、建築物のイメージを構成する際にも役たちます。また、周囲に問題なくなじんでいるかどうかも大切です。建築物を評価するときに、屋根は重要な役割を果たしています。
そのため、複雑な形状の屋根などにも、ステンレスシート防水が使われています。
たとえば、半球状のドームなどのステンレスシート防水。建物内部にも連続した球体があって、全体でひとつの球体になっているケースがあります。科学館などでよく使われている形状です。そうした球体の、外部に出ている半球の部分に、シーム溶接で接合されたステンレスシート防水工事が施されています。また、上から下までの部分を、ほぼ一枚のシートで仕上げることが可能です。
ドーム状などの形状をもった屋根にも施工が可能です。幅が端からだんだん広くなり、中央で一番広くなり、また端で小さくなる笹の葉型のステンレスシート防水の施工も可能です。大きなドームなどでも施工が可能で、ロープや滑車、電動ウインチなどを使うことで安定的に溶接を行うことができます。
球形状・円形状だけでなく、変形したアーチ状の頂部にも使うことができます。傾斜角があっても大丈夫で、三段に変化していても施工が可能です。
中央から上下にむかって施工を行い、表面に歪みがでないようにしながら溶接を行えば、特殊な形状のステンレスシート防水を行うことができます。
建物が海辺に近い場合は、腐食を防ぐために、とくに耐食性に優れたチタンなどを採用し、ステンレスシート防水を行います。S字状にウェーブした長い屋根の形状も、ステンレスシート防水なら施工可能です。
S字状にウェーブした屋根に加えて、トップライト(外を照らす大きなライト)などが設置されている場合は、水が入ってくるのを防ぐために、シーム溶接(電極を使って通電しながら溶接する方法)を行います。
これらのように、複雑かつ難易度の高い施工も、ステンレスシート防水なら、実現が可能です。柔軟性があって頑丈なステンレスシートを複数枚、溶接することによって、表現力豊かな屋根を実現することができます。高度な三次元的な形状を持つ屋根、そしてなおかつ長くて広い素材を必要とする屋根が必要なときに、ステンレスシート防水が選ばれます。しかも防水機能はしっかりと備えた屋根のニーズが高まっています。
金属板が防水工事の材料として使われる理由
他の屋根材料と比べて、金属板が屋根の材料として選ばれるワケはいくつかあります。
軽くて、強度が高く、品数が豊富で、長さや広さを取ることができて、彩りが豊かで、安く仕上げることができるため、バリエーションが豊かなので、ステンレスシート防水が選ばれがちです。溶接も、防水機能を考えると、シーム溶接がベストで、数多くのステンレスシート防水の現場で使われています。
P&P工法とは
P&P工法については上述しましたが、防水層にステンレスシートを用いて、溶接部をシーム溶接によって一枚のシートにする工法です。
結合部も、溶接によって水漏れがおこらないので、傾斜した屋根を含めた一般的な屋根などをはじめとして、ビルの屋上などのさまざまなシーンで使われています。P&P工法は、このシーム溶接がとても肝心で、溶接工事がうまく行ったかどうかが、作業の出来を左右します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ステンレス防水工法はスタジアムや空港など大規模施設で利用されていることから、形や形状も多種多様で見るものを楽しませてくれます。
もしあなたがサッカースタジアムなどに訪れて見た際は、スタジアムの屋根を眺めてステンレス防水のデザインを楽しんでみても良いかもしれませんね。
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