防水工事の基礎

プライマーとは|防水工事のプライマーの基礎知識

  • 2017年1月5日

防水工事の見積書でよく耳にする「プライマー」という言葉。建築業界に属している人ならプライマーの意味が分かると思いますが、一般の方が聞いてもあまりピンとこない言葉ですよね?

そこで、この記事では防水工事のプライマーについて詳しくお伝えします。

プライマーの意味をしっかりと理解することで、防水工事の施工工程を正しく理解できるので是非、参考にしてくださいね。

1. 防水工事におけるプライマーとは

プライマーとは、プライマリー(primary)という言葉から派生した言葉で、その名の通り、最初という意味があります。

つまり、最初に塗る塗料ということです。言葉上の定義で言えば、最初に塗る塗料はどれもプライマーとして使うことができます。防水工事の塗料は重ね塗りするものなので、下地に接触します。

また、次の塗料とも接触します。そのため、その特性を活かした施工上の細工をほどこすことができるのです。

たとえば、下地との接着力を特別に良くした塗布剤は、接着プライマーとして呼ばれます。

接着プライマーを使うことによって、全体の接着力を大幅に向上させることができます。

接着プライマーは直接塗布し、塗膜の付着性を良くしてくれます。

防錆顔料を混ぜ込んだ防錆プライマーもあります。防錆プライマーが下地金属と接して、全体として防錆性が増加します。一般的に、プライマーと呼ばれているものは、この防錆プライマーのことです。

他にも、導電性プライマー、絶縁性プライマー、弾性プライマー、粘着プライマー、浸透性プライマーなど、さまざまな機能をもった、いろいろなプライマーがあります。

いろいろなプライマーがある中で、樹脂工事の下塗り材として、ウレタン、FRP、シート防水のプライマーがあります。

これは一般的なプライマーの種類といえるでしょう。

2. ウレタン防水のプライマー

ウレタン防水プライマー
出典:http://www.mr-produce.jp/gallery_posttype/2619/

 

ウレタン防水用のプライマーは、ウレタンプライマーと呼ばれます。

1液溶剤型がメインで、密着性に優れています。

そのため、旧ウレタン塗膜防水材や、旧ウレタン弾性床材に再塗装する際に、塗替えとして使うことが多いです。

下地の穴をふさいで、ふくれを防ぎます。また、密着性を向上させることもできます。

シート防水に関しても、塗り替えに使えます。

防水工事の際の、防水層の塗り替えに最適です。プライマーは、塗って24時間以内に上塗りをしなくてはなりません。

24時間以上経過すると、上塗りが剥離してしまうことがあります。皮膚などに触れないように注意が必要です。

仮に触れてしまった場合は、ウェスなどで拭き取って、中性洗剤で洗います。目に入った場合は大量の水で洗い流し、医師の診察を受ける必要があります。ウレタン用プライマーは、ゴミやホコリを完全に除去して、希釈せずに使います。パケやローラーにて塗装を行ってください。

3. FRP防水のプライマー

FRP防水プライマー
出典:http://www.eto-kenso.com/blog/5339/

FRP防水とは、繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称です。ガラス繊維などの強化材で補強されたプラスチックのことです。

FRPは、強度が高く、耐水性に優れており、バスタブや水槽などにも使われます。

もちろん屋根やベランダの防水にも使われます。FRP用のプライマーは、トップコート(保護するための上塗り剤)を塗り替える際のプライマーとして使用できます。

下処理などの工程が不要で、粉塵等も発生しないので、クリーンな環境で作業を進めることができます。清掃のみで短期間の工程で工事ができます。

FRP防水のプライマーは、気温5度以下、湿度85%以上での塗装は避けたほうが無難です。

そして、溶剤の蒸気やスプレーダストを吸引しないように、適切なマスク等を装着して、皮膚に触れないようにしながら保護メガネや長袖作業着などで作業するようにしてください。

プライマーは空気中の湿気と反応するので、開缶後は早期に使い切ることが重要です。

プライマーは塗った後、12時間以内に上塗りが必要です。12時間以上経つと、上塗りが剥離をしてしまう可能性があります。

脱脂(表面の油を取り除く処理)が不十分の場合は、ゴミやホコリなどの混入などで、剥離が起きてしまう可能性があります。

こちらも、直接皮膚に触れた場合は、ウェスなどで十分に拭き取って、中性洗剤で洗ってください。目に入った場合は、大量の水で洗い流して、心配なら医師に相談してください。できるだけ皮膚に直接触れないようにしてください。

4. シート防水のプライマー

シート防水プライマー
出典:http://bit.ly/2ksgi35

シート防水用のプライマーは、保護や美装用の1液型タイプがほとんどです。

水性1液タイプのため、取り扱いが容易です。

また、作業性にも優れています。主にシート防水時の塗り替え塗料として最適なのが、このシート防水プライマーです。

遮熱タイプもあるので、太陽光のエネルギーを反射して、表面温度の上昇を抑えるタイプの液剤もあります。

シート防水プライマーも、気温5度以下、湿度85%以上の場合、もしくは雨が降っていたり、雪が降っていたり、強風時や天候不良となるおそれがある場合には、使用は避けたほうが無難です。防毒マスクなどの適切な保護具を着用して、皮膚に触れないように保護メガネや長袖作業着などで作業する必要があります。

新設のコンクリートやモルタルの表面で使用する場合は、40日以上の養生期間が必要です。そしてpHが9.5以下になってから施工する必要があります。

 まとめ

簡単に言うとプライマーは下地と塗料の密着を加速させるための接着材の役割を果たします。

もし、見積もり項目にプライマーという言葉が出てきた際は「一番最初に塗る塗料」と認識しておけば問題はありません。

 

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