防水工事の基礎

ウレタン防水|ウレタン防水の3つの工法と施工工程

  • 2017年1月5日

ウレタン防水工事といっても様々な工法があります。施工の規模や予算によって工法は変わります。

工法が変わるだけではなく、耐用年数にも大きな影響を及ぼすので、適正工法で防水工事を行うことが重要です。

そこで、この記事ではウレタン防水工事の3つの施工方法について詳しくまとめました。

1. ウレタン防水の3つの工法

ウレタン防水の工法には、3種類あります。

その施工方法が、通気緩衝工法、密着工法、絶縁工法です。ウレタン防水を適切に仕上げるためにも、これらの工法に詳しくなりましょう。

ひとくちにウレタン防水といっても、さまざまな工法があります。適切な工法を選択しないと、亀裂が入ったり、防水層がふくれ上がったりなどのトラブルに見舞われ、雨漏りの原因となってしまいます。どうせ防水工事を行うのであれば、場所にあった工法を選びましょう。

そして、適切な施工業者に適切な見積もりを出してもらいましょう。そのためにも、専門の知識はある程度必要なのです。

2. 通気緩衝工法

ウレタン防水通気緩衝工法
出典:http://www.katou-k.com/archives/1168

通気緩衝工法とは、ポリウレタンの樹脂を一定の厚みを保ったまま均一に流し込みます。そして継ぎ目のない塗膜をつくることによって、防水層を作るものです。

雨が降るなどの上部からの水分をカットしてくれるとともに、膨れ上がりの原因となる下地に含まれる水分、蒸気化した水分を脱気装置にて外部に排出します。そのため、安全で信頼性が高くなります。

2-1. 通気緩衝工法の施工工程

まずは、既存の防水層を撤去します。そして、下地の調整を行います。

ウレタンの吸い込みを止めるプライマーを塗布し、密着性を高めるための下塗り材を塗りつけます。

補強用のガラスクロスを張り、ウレタンの強度を高めます。床や隅などのテンション(緊張)のかかる場所を補強します。

屋上のドレン(雨水を排水する箇所に設置されている器具)を、改修用ドレンをつかってジャバラの中に設置し、防御します。

そして、まずは床面以外の部分を先にウレタン塗布します。

通気緩衝工法シートを床全面に貼り付けます。併設する脱気筒が、下地からの水蒸気を逃して、ふくれを防ぎます。

通気緩衝工法シートは、幅が1メートルなので、広い屋上ではジョイント(継ぎ目)ができてしまいます。ジョイントにジョイントテープを貼って、シートの端もウレタン部分が壊れないように補強用クロスを入れて保護します。

その後は、床全面にシートを貼り、完成です。

ステンレスの脱気筒を設置し、防水層のふくれの逃げ道を作ります。屋上は平らに見えますが、雨水が流れるように勾配がついているため、水は下に流れます。ですが、蒸気は上にのぼります。脱気筒で蒸気を逃します。勾配の上の方に設置します。

ウレタン樹脂の塗布を行います。2回行って、厚みをつけます。

最後に、トップコート(保護したり摩耗を防止したりするためのコート)を塗布し、ポリウレタンを紫外線などから守ります。

3. 密着工法

ウレタン防水密着工法
出典:http://kajikawa.exblog.jp/m2010-07-01/

密着工法は、液体ウレタン塗膜防水材を塗布します。防水層を作って水を防ぐ方法です。下地の形状によくなじみ、密着性に優れています。そのため、既存の防水層の重ねぬりが可能です。また、防水層はとても軽いため、建物への負担が少ないのも特徴です。継ぎ目なく施工が可能ですので、仕上がりが綺麗で、複雑な形状のベランダなどでも施工できます。

3-1. 密着工法の施工工程

密着工法の施工方法は以下のとおりです。

密着性を高めるために、ホコリをしっかり取り除きます。

そして、樹脂モルタルで補修します。

床材とウレタンの密着を良くするプライマーを全面に塗りつけます。

その後、ウレタンをぬっていきます。厚みをつけるのですが、ここが一番重要な工程です。

ウレタンを所定の厚さになるまで2度塗りします。

最後に、トップコートを塗って完成です。

4. 絶縁工法

ウレタン防水絶縁工法
出典:http://bit.ly/2iqGZHG

防水材を流し込んで、伸縮性の高いゴム状の物質であるウレタンを使って、防水します。地震などによる建物へのダメージがあっても、ひび割れを極力抑えることができます。継ぎ目のない仕上がりになるので、継ぎ目からの漏水やはがれなども起こりません。次回塗替え時のコストも安く抑えられるのが特徴です。

4-1. 絶縁工法の施工工程

まずは絶縁シートと呼ばれる脱気用シートを貼り付けます。表面にはパンチ穴が入っています。

脱気シートを貼り付けたあとは、ウレタン防水を敷き込みます。

トップコートを2回塗って完成です。遮熱塗料などでも仕上げることがあります。

まとめ

住宅を雨水や漏水から守るためには、適切な施工方法を知ることも重要です。施工方法には何種類もありますので、それぞれの特性を知って、自分の家や予算にぴったりあった施工方法を選びましょう。自分の家の屋根やベランダとよく合う施工方法を知るには、まずは見積もりを取ることが重要です。

見積もりが適正かどうかを知るためには、複数の業者に一括で見積もり依頼を投げることも大切です。雨漏りは一度してしまったら家が大きくダメージを受けます。事前の防水工事が大切であることはいうまでもありません。適切な工事の施工方法を知って、早期に防水工事を完成させましょう。

トラブルなく防水工事を成功させるなら

防水工事は、修繕規模によっては何百万円もの費用がかかります。
だからこそ、依頼をする業者は慎重に選ぶべきです。

防水マイスターでは、資格保有のアドバイザーが お客様に合った業者選びのお手伝いをさせていただきます!