防水工事の基礎

防水工事のアスベストに関する注意事項

  • 2017年1月10日

アスベストは、通称、石綿とも呼びます。アスベストは人体に非常に有害なもので、ガンなどを引き起こしますが、かつては防水工事にも使われていました。

古くから建っている建物や、かなり昔に防水工事を行ったベランダ・屋根には、アスベストが使われている可能性があります。人体にとても悪影響がありますので、注意が必要です。工法ごとの、アスベストに関する注意事項を見ていきましょう。

アスファルト防水のアスベスト使用例

防水工事のアスベストについて

アスファルト防水では、アスファルトを合成繊維不織布にひたしてコーティングしたシートを貼り重ねて形成します。そのアスファルト防水の工程で、かつてはアスベストが使われていました。ルーフィング、断熱材、接着剤などにも使われており、アスベストは大幅にアスファルト防水で使われていたのです。材料の補強や耐腐朽性の向上を目的として使われており、アスファルトを浸透したシート状のものとしてアスベストが使われていました。

ですが、施工後はさらに防水工事用のアスファルトでおおわれ、経年劣化しても状態を維持しながら徐々に硬くなります。よって、施工時、施工後、経年劣化後のいずれにおいても、アスベストはアスファルトのなかに固定された状態なので、飛散しません。そのため通常の使用に関しては、とくにアスベストを恐れる必要はありません。健康に特別な影響はないものと考えられます。接着剤においては、補強やたれ止めを目的として配合され、アスファルトに練り込まれたペースト状で使用されました。施工後は溶剤が乾いて硬い皮膜になります。

経年劣化後も徐々に形状を維持しながら、硬くなります。この場合も、アスベストは施工時、施工後、経年劣化後のいずれにおいてもアスファルトに固定され、飛散しません。これも健康状態に特別な影響はないものと考えられます。

防水層では昭和62年に、ポリウレタン系断熱材を使った断熱防水層については平成3年以降、接着剤については平成15年以降について施工されたものであれば、アスベストは含まれていません。

もしくは0.1%未満であり、石綿予防規則に該当しないので安全・安心です。それ以前のものは、施工会社や製造会社に、アスベスト使用の有無を確認すると良いでしょう。業者には隠すことなく教えてもらうために、溶剤の知識をある程度つけておくといいでしょう。

ウレタン防水のアスベスト使用例

ウレタンフォームを塗って防水層を作り、上からトップコート(保護する膜)を塗って防水を行うウレタン防水にも、かつてはアスベストが使われていました。1970年代頃まで主流で、また、最近では1990年台までアスベストはウレタン防水でも使われていたようです。

ウレタン防水の断熱材を入れる部分に、断熱材の表面・裏面に石綿シートに溶融アスファルトを塗ったシートを貼り合わせたものが使われていました。安定性があり、接着性の向上を目的として使われていたのです。

また、ウレタンフォームの断熱材の表面・裏面にガラス繊維と石綿を混合したシートにアスファルトを含ませた薄いフェルト状の面材を貼り合わせたものなども使われていました。こちらも、安定性があって、接着性が向上していたので、使われていました。

FRP防水のアスベスト使用例

FRP防水の塗料も、昔は一部ですがアスベストが使われていたようです。ですが、現在では全く使われていません。強化プラスチックの中にアスベストを混ぜて、接着性を向上させていたようです。

【結論】最近ではアスベスとは全く使われていません

古い建物では、防水塗料の一部やシートの面材などにアスベストが使われていることもありました。

主に1990年代頃を最後に、使われなくなったようです。最近では全く使われていませんので安心してください。

もしも、仮にとても古い建物の防水層を自分で撤去することがあるとしたら、アスベストには注意しなくてはなりませんが、業者に頼むのであれば、お願いしておくといいでしょう。アスベストが古い住宅の防水層に含まれているかは、専門の機関に鑑定を依頼して、しばらくまたねばなりません。

鑑定の費用は6万円程度で、期間は3ヶ月ほどかかります。アスベストは、1990年頃以降に建てられた建物であれば、防水層にアスベストが使われているということはまったくありませんので安心してください。

アスベストは、材料を安定させてくれる効果と、素材を接着する効果がありました。そのため、一部の時代では使われていたのですが、有害性が指摘されたため現在では使われていません。

仮に、アスベストを含む防水層を、撤去することになった場合は、自分で撤去作業を行うのは有害性があって危険です。専門の業者に依頼して、完璧な撤去をお願いしましょう。防水層を塗り直すのではなく、全部撤去して、また新築のようにあたらしい防水層を形成するようにしてください。撤去も工事もプロにお願いしましょう。

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